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異世界転生したら王子に溺愛されて困っています·͜· ♡
第5章 中身が違う人間と、離縁を申し込みましたが···
握られた私の手の甲を殿下は自分の頬へと持って行く。
その行動が分からなくて、きょとーんとしながらされるがままにしていると、頬に触れさせ、流れる様に殿下の唇に私の指先を当てた。
「··っっ!?」
驚いて手を引っ込めようにも、殿下の力が強すぎて引っ込める事も出来ない。私を他所に、更に首筋、や服の上から体をスーッと撫でさせながら、下へと持って行く。
「っ、えっ、ちょっ···ちょっと待って!ストップ!!」
あまりの羞恥に顔が見る見るうちに熱くなる。
いやいやいや、腰から下は流石にアウトでしょ!
と言うか、これでも淑女(外見は)に何してくれてるのこの変態は!!
空いている手で殿下の胸板を押せば、やっと意味不明な行為を止めてくれた。何だったんだ、いったい。
「君がブランシュじゃないっては話は、本当みたいだね」
(いったい、今の何処にそのブランシュさんがブランシュさんじゃないって···確信できたんだろう)
「腑に落ちないって顔をしているね。いいよ、教えてあげる。ブランシュの性格は君とは正反対なんだ。私がこうして触れるだけでも、彼女は必ず拳をぶつけてくるからね。間違えても君の様に顔を赤くさせて、しおらしい態度なんてするような子じゃなかったからね」
「そう、なんですね···」
(すっごいじゃじゃ馬な子だったのかしら)
「だから、君の反応を見るのは凄く新鮮。あぁ、悪く言っているつもりじゃないよ」
「信じて頂けたのならば幸いに思いますが、離縁の方は···」
「申し訳ないけれど、それは出来ない」
一方的に告げられた中に感じた圧。
「っ、しかし私は···」
詰まりそうな息の中で、やっと声に出せたかと思えば、コンコンコンと数回のノック音ののち、メイドのミーアちゃんが、食事を持って来てくれたようだった。