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異世界転生したら王子に溺愛されて困っています·͜· ♡
第7章 殿下視点

ブランシュがバルコニーから落ちて全身を打ち付けて昏睡状態に陥った、と陛下(父上)から聞いたのは、日も落ちた頃だった。


落ちた、と言うのは事故のせいにした見せかけで、王家との婚約破棄の為に自分から身を投げたのだろう。


確信はある。


登城する前にも、心底嫌がっていたらしい。


彼女なそんな状況に陥ったにも関わらず、冷静でいたのは私が非情な人間か、私の気持ちも彼女から離れて行ってしまっていたからなのか···。


とてつもなく最低なのは、確かだ。


月の光が白の中を照らす頃、私はブランシュの部屋に入った。一命は取り留めた物の、今では魔法の力で体を動かせないよう固定している。


全身打撲、複雑骨折に、頭を強く打ち付けて置いて、一命を取り留めるとは、恐ろしい強運の持ち主だ。


ベッドに横たわるブランシュの寝顔は、17歳の歳の割には幼く見える。


頬に触れれば柔らかく温かい。


(生きているんだな···)

幼少期に決められた政略結婚。


子供の頃は、一緒にいるだけで楽しかったのに、いつしか、ブランシュには一線を引かれていた。


それは、ブランシュの実家である公爵家の中でも同じだったと言う。


彼女がどうして身を投げたのか分からぬまま。


ブランシュが再び目を覚ます刻が訪れるのならば、例え拒否をされたとしても、きちんと話をしよう。


そう思った矢先。


ブランシュが目を覚ました。


ブランシュの侍女であるミーアは、ブランシュが倒れて以来、ずっと献身的に身を尽くして来た。

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