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異世界転生したら王子に溺愛されて困っています·͜· ♡
第7章 殿下視点

そんな彼女が泣きなが執務室に訪れ、「ブランシュ様が、目を覚ましました。殿下、どうかよろしくお願い致します」と、頭を下げたのだ。


駆け付けて見れば、真っ先に睨みつけられると思っていたのだが、ブランシュの心はここに在らずの様な、表情すらも他人かと言うような柔らかな物になっていた。


(···もしかして、記憶が)


取り乱してしまいそうな胸の内に気を取り直し、ブランシュの横たわるベッドの横へと立てば、オレンジ色のを丸くしてから、落ち着いた声色で私に言葉をかけてきた。


「殿下···」



気がつけば、無意識にブランシュの頬へと手を伸ばしていた。


が、次の瞬間には肩をビクつかせて拒否を示したのだ。やはり、と何処か分かっていたのに。


「すまない。驚かせたね」


スっと手を引き謝罪した。


「ぁ、その···ごめんなさい。少し、驚いてしまって」


困った様に微笑で謝罪をする彼女は、本当にブランシュなのだろうか。ミーアは?彼女の兄上は···侍医は···?


違和感を感じているのは、私だけなのだろうか。


だが、しかし···目が覚めてからのブランシュは表情をコロコロ変え、そんな表情もするのかと。


興味が湧いて、あれやこれやと手を出して見たくなったのは、彼女には胸の内に。


それから、「私は井上 ともえ」だとか、ここよりも遥かに科学が発展した世界に住んでいた事を伝えられ、拍子を抜かされたのは記憶にも新しい。


離縁を、と申し込まれたけれど、今まで見た事の無いブランシュが魅せる表情に惹かれて、手放したく無くなってしまった。


···どうやら、私は···。



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補足:メイドのミーアは、実はブランシュに公爵家の頃から使えている侍女です。
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