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異世界転生したら王子に溺愛されて困っています·͜· ♡
第8章 妃教育(再)

そうだった。


私は今はブランシュだと言う事を思い出し、何事も無かった様に涼し気な表情を浮かべて、シルクのハンカチで汗を拭った。


「···、以後、気をつけますわ」

「分かればよろしい。いいですか、厳しい事を申しますが、あなたは殿下の妃となる身です。あなたの評価は殿下、いえ、王家の評価に繋がると言う事を、お忘れ無きように。一つ一つの動作が時には命取りになるのです」

「先生、ご忠告ありがとうございます」

「どういたしまして。ダンスの方は、たった数日の間で良くここまで動けるようになりましたね。記憶を失ったと聞いて心配しましたが、頑張りましたね。ブランシュ様」

「先生の御指導のおかげですわ。本当に、感謝申し上げ致します。ですが、まだまだ···お忙しいとは存じますが、お付き合いくださいましたら嬉しいのですけれど」

「まぁ、···ブランシュ様。喜んでお付き合いいたしましょう」


お開きになった所で、丁度よく部屋のドアがノックされた。


「はい、どうぞ」と返事をすれば、入って来たのは殿下だった。


「お疲れ様、ブランシュ。調子はどうだい?」

「はい、滞りなく···!」


優雅に、丁寧にカーテシーをしたつもりだったが、踵にズキンと痛みが走って、一瞬だけ動きがぎこち無くなってしまった。


「···、ブランシュ。一生懸命に練習するのは良い事だけれど、無理をするのはいけないよ」


次の瞬間、体がふわりと浮いたかと思えば、私は殿下に横抱きにされていた。


「きゃぁ!!···で、殿下!、いけません。降ろしてください。わたくし汗を書いております。それに体重が···」


わたわたと焦る私とは違い、殿下と言えば涼しい顔をしていた。成程、勉強になる···、じゃなくて!


「汗?···全然気が付きませんでしたよ。それに君は羽のようだよ。さ、部屋に戻ろう。手当が必要だ。と、言う事で、先生、失礼致しました」

「え、えぇ。どうかお大事になさってください。ブランシュ様」


圧倒的な笑みを浮かべれば、先生も圧倒されていた。

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