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異世界転生したら王子に溺愛されて困っています·͜· ♡
第3章 どうやら、人格が違うようです(困)
「オホン···、えー。お取り込み中失礼致します。殿下、ブランシュ様。薬の効き目は即効性ですので、じきに体の痛みも引きましょう」
「そうか。安心した。良かったな···、ブランシュ」
殿下は一安心したような、柔らかい笑みを浮かべて私の頭をふわりと撫で、髪を一房掬い口付けをした。
(うわぁ···うわぁー···髪にキスされてしまった···)
「ぇっ、あ、···ありがとう、ございます」
宮廷医にお礼を言うにも、どうにも意識してしまってドギマギしてしまう。
(うっ···、そ、そうだ···私、皆の目の前できっ···いやいや今のは口移し、口移しだから!!)
小さく気が付かれないように、スーハースーハーと深呼吸。あぁ、もう。このイケメン殿下は無自覚であんな事をサラッとしてしまうのか、それともわざとなのか···後者なら、私の分が悪過ぎる。色んな意味で心臓が持たない。
「私からも礼を言おう」
殿下は何語も無かったかのようだし、私ばかりがドキドキして、意識してしまっている。
あぁ···。
これが夢なら、早く覚めて欲しい。
メイドの子を見れば口元に手を当てて、何故か目を潤ませて顔を真っ赤にしていた。なんだろう···これは。乙女ゲームの推しのスチルを見て、尊いとか思われていそうな雰囲気だ。