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禁断の果実
第13章 友里恵

響はそれを聞くとこう言い返したのだ。

「誰も、俺と先生を引き離したりはできないよ!!」

そう言うと響は口論していたリビングから飛び出すようにして部屋を出て行った。
その後を追う様にして友里恵は響を追う。

「響、戻って来なさい!!話はまだ終わってないわよ!!」

響はこれ以上友里恵と話す気はなかった。
話しても無駄だと思ったのだろう。

響は家を飛び出ると街中を歩いて回る。
誰も自分の言う事を聞いてはくれない。

理解してはくれないのだと思っていたのだ。
響はただ絵を描いていたいだけだった。

美術を勉強したいと思っていただけだった。
私と一緒にいたいと思っていただけだった。

何故、こんなにも周りから責められなくてはならないのか理解に苦しんでいたのだ。
響はフラフラと街中を歩いていた。

そして、私に会いに来ようと学校へと向かったのだ。
その時はすでに私は学校を後にして自宅へと戻っていた。

そんな事を知らずに響は学校の部室へと向かっていたのだ。
部室に着くと私の姿が見えないのに気づく。

響は私の自宅へと行こうとしたらしい。
外を見ると夕暮れが迫っていた。

響は足早に私のアパートへと向かったのだった。

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