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禁断の果実
第14章 事故
今日、響と学校で顔を合わせていたが二人切りで話はしていなかった。
その事が悔やまれてならなかった。
響の遺体は霊安室へと運ばれてゆく。
そこには、蝋燭が1本と焼香用のお線香が置かれている。
響の身体には白い布が被せられ、顔には白い布が被せてある。
トラックの下に巻き込まれたのだが、遺体の損傷は思ったよりも少なかった。
友里恵は響の身体を抱き締めながら泣いていた。
そして、私の姿を見ると同じことを繰り返して言うのだ。
「全て、あなたが悪いのよ!!この女が響を殺したのよ!!」
そう言っては私の事を責めるのだった。
それを言われる度に私は何も言えなくなるのだ。
友里恵は浩史に連れられて霊安室を出て行った。
外の風に当てて少し落ち着かせようと思ったのだろう。
私の姿を見て優一郎が傍に来て肩を抱き締めてくる。
「これは、瑠唯のせいじゃない…」
「それは、分からないわ…」
私は響の遺体の傍に行き顔を見たくて顔に被せてある白い布を取り去った。
そこには交通事故で亡くなったと言うのにとても綺麗な顔をしていたのだ。
「ひ、響…」
私は響の遺体の傍で泣き崩れた。
そして私は気を失って倒れてしまう。
その倒れた私を優一郎は支えてくれていた。
霊安室には焼香のお線香の香りがして部屋を満たしていた。