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禁断の果実
第16章 エピローグ
「そんな事は、詩音がもう少し大きくなってから考えようじゃないか…」
「そ、そうかしら…」
「そうだよ、それまでは俺たちが目いっぱいの愛情を注いで育てようじゃないか?」
「そ、そうね…」
私は迷いながらもそう返事をしたのだ。
尚も優一郎はこう言ってくる。
「響くんの事は詩音には話さない方が良い…それを知ったら詩音は傷つくだろう…」
「そ、そうね…」
私はそれ以上この話しはするのをやめたのだ。
響と優一郎の血液型は同じだった。
血液型で詩音に響の事を知られてしまう可能性は少なかった。
優一郎は本当に詩音を自分の娘の様に愛している様だった。
今日は優一郎の仕事は休みだった。
最近、詩音はしきりに「おさかな、おさかな…」という様になった。
私がいつも魚やイルカやクジラの写真を見せていたからだろうか。
とてもその生き物に興味を示すのだった。
そんな時、いつも優一郎は詩音を水族館に連れて行ってくれる。
今日もその水族館に行こうとしていた。
優一郎が詩音にこう言う。
「詩音、これからお魚を沢山見に連れて行くからな…」
それを聞くと詩音は喜んで優一郎の足にしがみ付いて「パパ、パパ」と言って抱っこをせがむのだった。
優一郎はそれを見ると嬉しいのだろう。