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禁断の果実
第16章 エピローグ

その女の子に、私たちは「詩音」と名付けた。
詩音はすくすくと成長していった。

そして、季節は流れて響が亡くなってから3年の月日が経っていた。
響の3回忌の法要が行われた。

私と優一郎と詩音はその法要に出席したのだ。
私は28歳になり、詩音は2歳になっていた。

響の両親は私が響の子供を身ごもっていると知ると非常に驚いていたし激怒もしていた。
母、友里恵はこう言ってくる。

「絶対に産むことは許さないわ…」

そんな姿を見て父の浩史はこう言う。

「いいじゃないか、響の子供が生まれるんだ…祝福しようじゃないか…」

そんな事もあったのだが、いざ子供が生まれてその姿を見ると友里恵の態度も変わるのだった。
響の忘れ形見である詩音の姿を見ると泪を流して喜ぶのだ。

詩音はどことなく亡くなってしまった響に顔が似ていた。
そんな詩音を響の両親は自分の孫の様に可愛がってくれるのだった。

私の両親も同じように詩音を可愛がってくれる。
本当にそれはありがたくて、嬉しいことだった。

詩音は優一郎にとても懐いていて本当の父親の様に思っている様だった。
優一郎は詩音を愛してやまなかったのだ。

私は詩音の姿を見て将来本当の父親が誰であるのかを知らせようかどうしようか迷っていた。
その事を優一郎に相談する。

すると、彼はこう言うのだ。

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