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禁断の果実
第2章 転校生
こんな経緯があり、響は私の通う学校に転校してきた。
この話しを黙って聞いていた私に校長がこう言ってくる。
「この、前澤響と言う生徒は何かと問題を起こすかも知れないが高岡先生に預ける形を取りたいのだがいいかね?」
私はこの話しを聞いて問題児を押し付けられたと感じずにはいられなかった。
でも、校長の要望なのだ。
聞かない訳にはいかなかった。
「はい、分かりました、私の出来る範囲で何とかします…」
そう言うと校長は安堵した様にこう言った。
「ありがとう、高岡先生、先生に任せるからよろしく頼むよ…」
私が美術教師だったからなのだろうか。
この様な問題児を任されてしまった。
この先、私はどうなるのだろうか。
そう、思わずにはいられなかった。
果たして響とは上手くやっていけるのかどうか、今の私にも分からなかった。
また、問題を起こして今度こそ警察沙汰になるのではないか。
そんな事を思ったりもしていた。
響は談話室で待っている。
私はその響を迎えに行くことにしたのだ。
ただひとつの救いは、私と同じ様に絵が好きだという事だった。
響は絵を描いている。
この絵が何とかしてくれるのではないかと私は思っていた。