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禁断の果実
第4章 悲劇
11月の陽が落ちるのは早い。
愉しい時間はあっという間に過ぎて行った。

ゲームセンターを出ると外は暗闇に包まれていた。
時計を見ると午後8時を回った頃だった。

私は響にこう言って謝った。

「ちょっと遅くまで遊びすぎちゃったわね…ごめんなさいね…」
「そうだね…でも、いいよ、俺、親父やお袋の顔見るのイヤだったから…」

そう言うとまた響はうつむいてしまうのだ。

「前澤くんの家の最寄り駅ってどこかしら?」
「え?俺の家の駅?」

「そうよ…」
「美しが丘だよ…」

「あら、偶然ね、私の最寄り駅も美しが丘なのよ…」
「そーなのか?」

「ええ、そうよ、駅まで一緒に帰りましょうよ…」
「いいよ…」

響の自宅と私の自宅はそんなに離れたところではなかった。
美しが丘の駅から徒歩10分くらいだろうか。

ただ、美しが丘の駅から私の自宅まではちょっと裏路地で薄暗い道が続くのだ。
美しが丘の駅に着いてから響がこう言ってくる。

「先生さ、こんな時間にひとりで暗い道歩いて帰るんだろ?」
「ええ、そうよ、慣れてるから大丈夫よ…」

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