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第5章 婚約者

私は翌朝、誰かに手を握られている感触で目が覚めた。
その手の先を見てみる。

そこには私の手を握りしめベッドに顔を埋めて眠る響の姿があった。
窓の外では雀がチュンチュンと鳴いている声が聞こえる。

私は部屋の壁に掛けてある時計を見てみた。
時計の針は午前6時を指していた。

私は身体のあちこちに鈍い痛みを感じていた。
昨夜の出来事が思い出された。

私は3人の男たちにレイプをされたのだ。
重たい身体を起こしてみる。

その動きで響が目を覚ました様だった。
響が私の顔を見て心配そうにこう言ってくる。

「先生、目が覚めたのか？大丈夫か？」

響は私の身体を起こすのに手を貸してくれ、背中に大きなクッションを置いてくれた。
私は響にこう言う。

「あ、ありがとう…前澤くん…」

私は昨夜、響が私の自宅に泊まり夜通し私の事を看ていてくれたのだと思った。
そこで私は力なくこう言ったのだ。

「前澤くん、今日は月曜日よ、学校にいかないとダメだわ…その前に家に帰らないと…」
「先生をこのままにしては行けないよ…」

響はそう言うと私の顔を見つめるのだった。
私は力なくまたこう言ったのだ。