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禁断の果実
第6章 部室
響が少しだけビクリとしているのが分かる。
私はその反応を見てこう言ったのだ
「あ、ごめんね…前澤くん…」
響の手はデッサンを描く手を止めていた。
「せ、先生…」
「え?なに?」
響は私の手を振り払おうとはしなかった。
私はずっと響の手に自分の手を添えていたのだ。
すると、響は私の腕を左手で強く掴み自分の身体に私の身体を近づけて来た。
そこで、お互いの目が合う。
私は引き寄せられるように響の唇に自分の唇を重ねた。
それは、一瞬の出来事だった。
「ま、前澤くん…ご、ごめんなさい…」
「せ、先生、謝らないで…」
そう言うと響は私に向き合う様にして立ちあがった。
そして、私の頬を両手で覆うとキスをしてきたのだった。
そのキスはフレンチではなかった。
舌を絡めるディープキスだったのだ。
私たちは西日の当たる美術部の部屋で貪るようにキスをした。
すると、校舎から夕方5時を知らせるチャイムが鳴ったのだ。
私たちはそのチャイムを聞きながらキスを繰り返していた。