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禁断の果実
第7章 相談
この時、改めて考えてみたのだ。
確かに、響と美術館で出会ってから私の気持ちは彼に傾いていた様に思う。
でも、自分には優一郎がいるのだ。
それに、響は私のクラスの生徒だった。
生徒と教師の恋愛など認められないに決まっている。
しかし、私は響のことが気になっていたのだ。
私は理恵にこう言った。
「私、どうしたらいいのかしら…」
「その生徒の事は諦めて、優一郎さんの所に戻りなよ…」
私はこの言葉を聞いても、優一郎の所に戻れないと思った。
やはり、レイプされたことで自分を責めていたのだ。
「そ、それは出来ないわ…」
「どーしてなの?」
「私の身体は汚れてるわ…」
「そんな事はないよ…レイプは事故だったんだよ?」
確かに、不幸な事故だったかも知れない。
でも、私は自分の事が許せなかった。
「私は、優一郎さんの元へは帰れないわ…」
「る、瑠唯…」
理恵は私の事を心配している様だった。
でも、もう引き返せないところまで来てしまった。
私は響の事が好きなのだとこの時気づいたのだ。
部屋には西日が射しこんできて私の珈琲カップを持つ手を照らしていた。