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Vouloir,c'est pouvoir.
第1章
春一番が吹いた日も終わろうとする真夜中、キムチ鍋に安ウイスキーのお湯割りをあおりながら、オレがiBookで『ファイト・クラブ』のDVDを早送りしながら見ていると、突然携帯が鳴った。
「あっ、タカヒロ。まだ起きてたのね、良かった。これから行ってもいい?」
「いいけど。また縛られたくなったのか?」
「それもあるけど、今日はマジメな用事。そっちで話すから」
言うだけ言うと、ミチコは一方的に電話を切った。
この女はいつもそうだ。服飾系の専門学校で出会ったクラスメートで、デザインの才能はまるで皆無だが、見かけは高飛車な、デキる女って感じ。こういう女にはマゾが多い。オレが考えたビザールコスチューム(いわゆる女王様のお召し物ってやつさ)のデッサン画を見せて意見を求めると、彼女は目をパチパチしながら何度も自分の髪の毛を触った。コイツはオレに気があるな、とオレは思った。髪を触るのは、ヤッてもいいわよのサインだって、どこかの心理学者が言ってたからな。
そんなこんなで、オレはミチコに上手く話を持ちかけた。学校を卒業したら、オレがデザインしたビザールコスチュームのショップを立ち上げるから、一緒にやらないか、ってね。当然資金はないんだけど、そこはミチコにがんばってもらって。もちろん、ミチコを縛ってみたりもした。思った通りのマゾだったね。これまで縛ったコの中では、最高の反応だったよ。
「あっ、タカヒロ。まだ起きてたのね、良かった。これから行ってもいい?」
「いいけど。また縛られたくなったのか?」
「それもあるけど、今日はマジメな用事。そっちで話すから」
言うだけ言うと、ミチコは一方的に電話を切った。
この女はいつもそうだ。服飾系の専門学校で出会ったクラスメートで、デザインの才能はまるで皆無だが、見かけは高飛車な、デキる女って感じ。こういう女にはマゾが多い。オレが考えたビザールコスチューム(いわゆる女王様のお召し物ってやつさ)のデッサン画を見せて意見を求めると、彼女は目をパチパチしながら何度も自分の髪の毛を触った。コイツはオレに気があるな、とオレは思った。髪を触るのは、ヤッてもいいわよのサインだって、どこかの心理学者が言ってたからな。
そんなこんなで、オレはミチコに上手く話を持ちかけた。学校を卒業したら、オレがデザインしたビザールコスチュームのショップを立ち上げるから、一緒にやらないか、ってね。当然資金はないんだけど、そこはミチコにがんばってもらって。もちろん、ミチコを縛ってみたりもした。思った通りのマゾだったね。これまで縛ったコの中では、最高の反応だったよ。