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雨が好き
第28章 お仕事場

そんなこんなで見学が終わった。
蒼人さんが私を『みなと町』まで送ってくれる。
「今日は楽しかったです。ありがとうございました」
「うん、あんなところだけど、普通の人は入れないから・・・。楽しくてよかった・・・」
『みなと町』の扉の前、別れがたい感じで、じっと黙ってしまう。
「「あの」」
二人が同時に声を発してしまった。
互いに譲り合い、結局、蒼人さんがお話することになった。
「転勤・・・したら・・・ついて、きて・・・くれますか?」
言ってから、ふいっと目をそらす。
「いや、あの、すぐ・・・とか、そういう意味ではなく、ですから・・・えと・・・」
その姿が、可愛くて、愛しくて、私は抱きつきたくなってしまう。
蒼人さんがいて、初めてのことばかり。
世界が近く感じられて、現実と心をすり合わせていく。
あれこれ考えなくてはいけないことが増える。
それは、ひとりでは、起こらないこと。
これが、生きているってことかもしれない。
だから・・・。
「ついて・・・いきます」
この時の私は、不思議と自然と、その気持を言葉にすることができたのだった。
蒼人さんが私を『みなと町』まで送ってくれる。
「今日は楽しかったです。ありがとうございました」
「うん、あんなところだけど、普通の人は入れないから・・・。楽しくてよかった・・・」
『みなと町』の扉の前、別れがたい感じで、じっと黙ってしまう。
「「あの」」
二人が同時に声を発してしまった。
互いに譲り合い、結局、蒼人さんがお話することになった。
「転勤・・・したら・・・ついて、きて・・・くれますか?」
言ってから、ふいっと目をそらす。
「いや、あの、すぐ・・・とか、そういう意味ではなく、ですから・・・えと・・・」
その姿が、可愛くて、愛しくて、私は抱きつきたくなってしまう。
蒼人さんがいて、初めてのことばかり。
世界が近く感じられて、現実と心をすり合わせていく。
あれこれ考えなくてはいけないことが増える。
それは、ひとりでは、起こらないこと。
これが、生きているってことかもしれない。
だから・・・。
「ついて・・・いきます」
この時の私は、不思議と自然と、その気持を言葉にすることができたのだった。

