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雨が好き
第29章 ナイトアクアリウム
海の生き物の身体は、無駄がない。
泳ぐことに特化している。
生きること以外に必要なものが全てスッキリ削ぎ落とされている、ように見えた。

だから、きれいなのかもしれない。

私は・・・どうかな?
無駄なもの、ばかりな気がする。

蒼人さんは?
蒼人さんは、目標に向かって真っ直ぐに、見える。
森を守る仕事がしたくて、頑張っていて・・・。

だからかな・・・きれいに見える。

「何?」
また、じっと蒼人さんの顔を見ていたものだから、彼に問い返されてしまった。
私は首をふる。

「なんでも・・・。ただ、蒼人さんも、きれいだなって」
それを聞いて、一瞬驚いたような顔をしたけど、すぐにふわっと笑った。
「みなとさんも・・・」
そう言ってくれる。でも、私は、あまり自信がない。
「私・・・きれいかな?」
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