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雨が好き
第30章 朝日

【朝日】
青い光の中、夢を見た。
そこは宇宙船の中だった。
私達は遠い宇宙を巡って帰ってきた。
今日、地球に降り立つ、と言う。
目の前に大きなスクリーン。
私と蒼人さんは手を繋いで、それを見ていた。
地球で、私達の帰りを歓迎する、多くの人が映っていた。
小学校の頃のお友達もいた。
通信制の大学、スクーリングでちょっとだけお話した同級生も。
数ヶ月しか続かなかったお仕事場の優しい女の先輩も。
お父さんも笑っていた。
一方の私は帰りたい気持ちと帰りたくない気持ちが半分半分。
大勢の人が手を振っている。
でも、沢山の人がいるところは・・・やっぱり苦手だった。
宇宙船の中はスッキリしている。
そこここに青色の光が満ちていて、落ち着いている。
怖いものもない。
そして、蒼人さんがいる。
キュッと、私は蒼人さんの手を握りしめた。
蒼人さんが私の方を向いて笑う。
その顔が、大丈夫だよ、と言っているように見えた。
ああ・・・そうか、私、手を繋いでるんだ。
ひとりじゃないなら・・・歩いていけるかもしれない。
夢は、そこで終わった。
青い光の中、夢を見た。
そこは宇宙船の中だった。
私達は遠い宇宙を巡って帰ってきた。
今日、地球に降り立つ、と言う。
目の前に大きなスクリーン。
私と蒼人さんは手を繋いで、それを見ていた。
地球で、私達の帰りを歓迎する、多くの人が映っていた。
小学校の頃のお友達もいた。
通信制の大学、スクーリングでちょっとだけお話した同級生も。
数ヶ月しか続かなかったお仕事場の優しい女の先輩も。
お父さんも笑っていた。
一方の私は帰りたい気持ちと帰りたくない気持ちが半分半分。
大勢の人が手を振っている。
でも、沢山の人がいるところは・・・やっぱり苦手だった。
宇宙船の中はスッキリしている。
そこここに青色の光が満ちていて、落ち着いている。
怖いものもない。
そして、蒼人さんがいる。
キュッと、私は蒼人さんの手を握りしめた。
蒼人さんが私の方を向いて笑う。
その顔が、大丈夫だよ、と言っているように見えた。
ああ・・・そうか、私、手を繋いでるんだ。
ひとりじゃないなら・・・歩いていけるかもしれない。
夢は、そこで終わった。

