この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
雨が好き
第30章 朝日

みるみるうちに朝日の光が膨れ上がり、
私達の身体を照らし、夜が後ろに遠ざかる。
「今日、夢を見たんです」
「へえ、どんな?」
「私達、宇宙船に乗っているんです。アクアリウムみたいな」
「うん」
「地球に帰るんですけど、私怖くなったんです。でも・・・」
「でも?」
ぎゅっと繋いだ手に力を込める。
ここまで話してしまったが、急に恥ずかしくなった。
「・・・えっと・・・内緒です」
「え?なんで!?」
蒼人さんがあまりにも驚いた表情をしたものだから、
私は笑ってしまった。
私達は、笑ってしまった。
朝日がすっかり空に昇る。
清涼な朝が来た。
私達の身体を照らし、夜が後ろに遠ざかる。
「今日、夢を見たんです」
「へえ、どんな?」
「私達、宇宙船に乗っているんです。アクアリウムみたいな」
「うん」
「地球に帰るんですけど、私怖くなったんです。でも・・・」
「でも?」
ぎゅっと繋いだ手に力を込める。
ここまで話してしまったが、急に恥ずかしくなった。
「・・・えっと・・・内緒です」
「え?なんで!?」
蒼人さんがあまりにも驚いた表情をしたものだから、
私は笑ってしまった。
私達は、笑ってしまった。
朝日がすっかり空に昇る。
清涼な朝が来た。

