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雨が好き
第39章 イタリアンレストラン
飲み物が届く。
彼女は白ワインを頼んだようだ。
私の前には濃厚そうなオレンジジュースが置かれる。

「初めて会っちゃったね・・・乾杯しよ!」

水際さんがグラスを掲げる。
私も慌ててグラスを持ち上げて、チン、と軽く合わせた。

「あ・・・あの・・・」

私は緊張でガチガチだ。
水際さん・・・一体、誰?
近くで見ると、ますます美人だと思ってしまう。

目鼻立ちがくっきりしていて、お化粧もバッチリ。
髪の毛は短いけど、サラサラとしていそう。
肌もきれい。
年齢は・・・私と同じか・・・、
もしかしたら少しお姉さんかもしれない。

黒でまとめたファッションが、ますます大人っぽさに拍車をかけていた。
何気なく身につけているように見えるアクセサリーやバックも、
とてもよく似合っていて、センスの良さを感じる。

なんだか・・・すごい。
それが水際さんを見た、私の率直な印象だった。

「そんなに緊張しないで?
 実は、私もちょっと緊張しているんだから」

そう言って、グラスの白ワインを喉に流し込む。

「でも・・・会いたかったから」

多分、水際さんもあまりお酒は強くないのだろう。
一口二口のんだワインで、ほんのり頬が赤く染まっていた。
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