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雨が好き
第49章 贈り物
これ、これって・・・。

ちらりと、蒼人さんを見ると、少し顔を赤らめて、目を逸らした。
そう・・・きっと、そう。

夕立に降られた、あの神社での言葉。

『私は、いつも、こうやって傘を持っていて・・・だから・・・
 雨が降ったら・・・傘を、かけてあげられるから・・・』

きっと、あの言葉。私の勘違いじゃ・・・ないと思う。

ぎゅっと、傘を抱きしめる。
なんだか、どんな言葉よりも嬉しかった。

「え?なになに!?
 みなとちゃん、傘好きなの?!」
水際さんだけちょっと、置いてけぼりになってしまっている。
でも、うまく説明できない。
ごめんね。

雨降り
折りたたみ傘
私と、蒼人さんの大切な思い出。

この、きれいな空色の傘には、

『ずっとそばにいてほしい』

そんな、蒼人さんからの気持ちがこもっているような気がして、
鼻の奥が、ちょっとツンとした。
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