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雨が好き
第51章 お届けもの
【お届けもの】

蒼人さんの足の具合は順調に良くなっている。
この分だと、あと2週間位でお仕事場に行ってもいいという許可が得られそうだ、ということだった。

裏を返せば、後2週間、蒼人さんはお仕事お休みで、
ずっと家にいる、のだという。

「お買い物とか、どうするんですか?」
蒼人さんはお怪我をした足でも、なんとかして『みなと町』まで来てくれていた。
いつもの2倍位、時間がかかると言っていたので、本当に申し訳ない。

いつものカウンターに、松葉杖が立てかけてある。
私は銀のお盆を胸に抱きながら、蒼人さんとお話していた。

「うん・・・なるべくまとめて買うようにしてる」
蒼人さんのお部屋は、古い集合住宅で、エレベーターがない。
階段を、松葉杖で上り下りするのは、とても大変そうだ。
しかも、お荷物持って・・・

私の顔にきっと、『どうやって?』と書いてあったのだろう、
蒼人さんが付け加えてくれた。

「リュック持ってって、そこに荷物入れて・・・で、なんとか」
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