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雨が好き
第51章 お届けもの
たまに、水際さんが来てくれたり、お買い物してきてくれると言っていたけど、
きっと大変なのでは?と思ってしまう。

「みなと」
お父さんがキッチンから声をかけてきた。
え?今、蒼人さん以外にお客さんいないよ?

注文した品ができた、わけではないようで、私を呼んだらしい。
キッチンに入って、お父さんの側に行くと、そっと耳打ちされる。

ええええっ!

ちらりとお父さんの顔を伺うと、にこりと笑っていた。
でも、でもでも・・・でも・・・

「だって・・・そんなこと・・・うち、してないじゃ・・・」
「今日からすることにしよう」

そう言って、お父さんはまた、笑った。

「どうしたの?みなとさん」
真っ赤になっておろおろしている私を見て、蒼人さんが声をかけてきた。

「あ・・え・・・と・・・」
なんて言っていいかわからない。

「ああ・・・蒼人くん、今日から『みなと町』はデリバリーを始めることにしたんだ。
 で・・・どうかな?その足じゃ、ここまで来るの大変だろう?
 ひとつ、新サービスを利用してみないかい?」
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