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雨が好き
第53章 彼の部屋

【彼の部屋】
心臓が、ドキドキする。
この間、お誕生会の時も来たはずなのに、
その時と、壁の色も、家具の配置も、家の匂いも、
何も変わっていないはずなのに、
なんでこんなに、私はドキドキしているのだろう。
「え・・・あ・・・っと、これ、お届け物・・・」
別に誰に急かされているわけではないのに、
リビングの机の上に、わたわたと、
カフェオレの入った水筒と、
サンドイッチの入ったパックを出した。
「ありがとう・・・すごく、助かる」
蒼人さんが笑ってくれて、その笑顔を私は直視できなかった。
なんで?
なんで、なんで?
「あ・・・えっと・・・す、座ったら?」
カチコチに固まってしまっている私に席を勧めてくれた。
彼はそのままキッチンに。
「そのカフェオレは後でもらいますね。
でも、今日はせっかくなので、みなとさんからもらったキットで、
コーヒーを淹れてみたいんです」
プロには敵わないかもしれないけど、いいですか?
なんて聞いてくる。
ぶんぶんぶん
私は首がもげそうなほど振ってみせた。
全然・・・そんな、プロって・・・だって・・・
頭の中にはいっぱい言葉が浮かぶのに、
声は全く出なかった。
心臓が、ドキドキする。
この間、お誕生会の時も来たはずなのに、
その時と、壁の色も、家具の配置も、家の匂いも、
何も変わっていないはずなのに、
なんでこんなに、私はドキドキしているのだろう。
「え・・・あ・・・っと、これ、お届け物・・・」
別に誰に急かされているわけではないのに、
リビングの机の上に、わたわたと、
カフェオレの入った水筒と、
サンドイッチの入ったパックを出した。
「ありがとう・・・すごく、助かる」
蒼人さんが笑ってくれて、その笑顔を私は直視できなかった。
なんで?
なんで、なんで?
「あ・・・えっと・・・す、座ったら?」
カチコチに固まってしまっている私に席を勧めてくれた。
彼はそのままキッチンに。
「そのカフェオレは後でもらいますね。
でも、今日はせっかくなので、みなとさんからもらったキットで、
コーヒーを淹れてみたいんです」
プロには敵わないかもしれないけど、いいですか?
なんて聞いてくる。
ぶんぶんぶん
私は首がもげそうなほど振ってみせた。
全然・・・そんな、プロって・・・だって・・・
頭の中にはいっぱい言葉が浮かぶのに、
声は全く出なかった。

