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雨が好き
第55章 告白
夜が積もっていく。
 微かなシェーカーの音
ゆっくり私の中に落ちる苦いオレンジ味のお酒
  水際さんの前に、三杯目のマティーニが置かれた。

「蒼人に彼女ができたことを、私は喜べなかった。
 蒼人の幸せを祝ってあげられなかった。
 私から離れてほしくなくて、
 ・・・・ほしくなくて・・・・」

いなくなってほしいと・・・願ってしまった・・・

その声は消え入りそうで、
言った水際さんの目からは、
涙が、ぼろぼろと溢れていた。

誰にも言えなかった言葉は、
彼女の中に降り積もって降り積もって、
澱になって凝って苦しくなって・・・

誰のせいにもできなくて、
蒼人さんには絶対言えなくて、
ひとりで飲み込むしかなくて・・・。

私は、どうしていいかわからなかったけど、
その胸の苦しさだけはすごく感じて、
少し、涙が出てしまう。

もしも、ここで水際さんが、いっぱい泣いて、
その全てを吐き出せるなら、
私はいくらでもここにいようと、
そう思った。

その後、水際さんは、
もう何も言わなかった。
私も、何も言わなかった。

一緒に【天使の羽】の上で
黙って、並んで座っていた。
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