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雨が好き
第55章 告白
別のお客さんが入ってくる。
スーツを着た、男の人が一人。
バーテンダーさんが、シェーカーを振っていた。

「蒼人さ、結構背高くて、まあまあかっこいいじゃん?
 だからさ、中学校でも、高校でもモテたらしいんだよね
 でも、私がいるから付き合わなかったみたい。
 家で、私が一人になっちゃうって・・・そう思っていたみたい
 それ知った時、そんな・・・って思った。
 だから、言ったんだよ、
 私のためにそんなに我慢しないでほしいって
 だって、大学も辞めて、何もかも私のためになんて・・・
 耐えられなかったんだよ」

水際さんが両手で顔を覆う。

「そしたら、ある日、栞さんを家に連れてきた。
 彼女出来たよって
 多分、私を安心させるため。」

栞さん・・・笹屋栞さんは、蒼人さんの高校の一つ上の先輩だという。
栞さんの方から蒼人さんに告白した・・・らしい。

「でも、私・・・私、ちゃんと栞さんに挨拶することすら出来なかった
 自分が、あんなになるなんて・・・自分でも知らなかった」
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