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雨が好き
第56章 星月夜
「高槻くんの妹なんだ・・・」
「うん、そう」
「どんな子?」
「うん・・・頑張ってる子」
「そうか」
「一緒にお出かけたくさんした」
「そうか・・・みなとの、いい友達なのか?」
「うん」
「そうか」
「私に、苦しいこと、相談してくれた」
「ちゃんと聞けたか?」
「わからない」
「でも寝ちゃったんだろ?」
「うん」

だったら、きっと、大丈夫だったんだよ。

最後に、そう、お父さんは言った。

『みなと町』に着くと、私の部屋まで上がる。
私は慌ててお客さん用の布団を引っ張り出して、
敷いた布団の上に、水際さんを寝かせた。

うーん・・・と少しだけ身体をひねったけれど、
結局、水際さんが起きることはなかった。

お父さんと顔を見合わせる。

「明日、水際さん・・・はお仕事じゃない?」
「分からない」
「だったら少し早めに起こしてあげなさい。
 きっとシャワー浴びたりもしたいだろうし」
「うん・・・そうする」
「みなとも早く休みなさい」
「うん・・・そうする」
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