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雨が好き
第64章 桜

結果的にその時はやはり水際の面倒を見なくてはいけないのと、3年生になれば受験が、という意識があったため、やっぱりお断りすることにした。
友人にちょっと漏らしたら『なんてもったいない!』『笹屋先輩はSSR級だぞ』等と言われたが、中途半端に付き合って、先輩に悲しい思いをさせるくらいなら、いっそう付き合わない方がいい、と思ったのだ。
笹屋栞先輩
僕と同じバドミントン部のひとつ上の先輩。
何にでも前向きで、一生懸命な人。
友人に言わせると、女子の中では、ちょっと天然なところがあると言われているらしい。例の告白は、僕が高校2年生に、笹屋先輩が3年生になった春先の出来事だった。
まだ、桜が散りきっていないくらいの季節だった。
部活がない日の放課後、体育館への渡り廊下で、唐突に声をかけられた。
僕にとってはあまりにも突然。
でも、彼女としては半年以上も悩みに悩んだ挙げ句のこと、だった・・・らしい。
口調に比して冗談ではないことはよくわかった。
強がって、冗談めかしてはいるけれど、時折その目に表れる本当の気持ち。
多分、真っ直ぐな人。
とても、気持ちが、深い人。
告白を断ったものの、それ以来、僕の心には笹屋栞が住むようになっていた。
友人にちょっと漏らしたら『なんてもったいない!』『笹屋先輩はSSR級だぞ』等と言われたが、中途半端に付き合って、先輩に悲しい思いをさせるくらいなら、いっそう付き合わない方がいい、と思ったのだ。
笹屋栞先輩
僕と同じバドミントン部のひとつ上の先輩。
何にでも前向きで、一生懸命な人。
友人に言わせると、女子の中では、ちょっと天然なところがあると言われているらしい。例の告白は、僕が高校2年生に、笹屋先輩が3年生になった春先の出来事だった。
まだ、桜が散りきっていないくらいの季節だった。
部活がない日の放課後、体育館への渡り廊下で、唐突に声をかけられた。
僕にとってはあまりにも突然。
でも、彼女としては半年以上も悩みに悩んだ挙げ句のこと、だった・・・らしい。
口調に比して冗談ではないことはよくわかった。
強がって、冗談めかしてはいるけれど、時折その目に表れる本当の気持ち。
多分、真っ直ぐな人。
とても、気持ちが、深い人。
告白を断ったものの、それ以来、僕の心には笹屋栞が住むようになっていた。

