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雨が好き
第1章 神社
男の人も泣くんだ、という考えてみれば当たり前の事実が、あまりにも非現実的に感じられた。
だって、その人の前髪には雨のしずくがまとわりついてて、キラキラしていて。
まるで、雨の神様・・・かと思えたからだ。

なんで、泣いているの?

も少し、顔を見たいから、ちょっと近づいた。
神様・・・じゃなくて、人間、だよね?

「うわあああ!!」
男の人は、突然私に気づいたのか、とってもとっても驚いた。
ぐいっとさり気なく、服の袖で涙を拭っているのを、私は見逃さない。

そして、ちょっと飛び跳ねたので、カサが肩から落ちてしまう。

「ごめんなさい」

多分、この人も一人になりたくて来たにちがいない。
それを邪魔してしまった・・・と思った。

「あ、いや・・・こちらこそ。びっくりしちゃって・・・その」
その人は、目をそらした。目が・・・赤かった。

私は自分のカサを彼にそっと差し掛ける。
「濡れちゃうよ」

その人は、びっくりしすぎて、カサを拾うのを忘れたみたいだったから、濡れちゃう、と思ったのだ。

そして、ハンカチで前髪の雫を拭った。

本当は、なんで泣いてたの?と聞きたかったけど、多分それは柔らかいところだから、黙っていることにした。

その代わり、自己紹介。
「私は古谷みなと。この下にある、喫茶店『みなと町』で働いているの。もし、良ければ、コーヒーを飲みに来てください」

その人は、目を逸らしたまま、ちょっとだけ頷いた。

灰色の雨が降る中、私は雨の神様にバイバイした。
なんだか、ちょっと、胸がトクンとした。

だから、私は、雨が好き。
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