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雨が好き
第14章 夕立
ふたりで、並んで歩く、神社の参道。
このあたりでは少しだけ有名なお祭りなので、出店もいくつか。
何か、食べる?と聞かれたので、ちょっとだけ見回して、ベビーカステラと答えた。
あまり、大きなお口を開けて食べるのは・・・と思ってしまったからだ。

私がベビーカステラを、蒼人さんは牛串を選んだ。
用意された休憩所のベンチに座って食べる。

蒼人さんはむしゃむしゃと元気よく牛串にかぶりつく。
・・・よく食べるなあ。

私はカステラをひとつ。
甘い・・・。

「蒼人さんも・・・食べる?」
はい、と差し出すと、ひとつつまんで、ポイと口に入れた。

「美味しい」

彼が笑ったのが、とても嬉しかった。
出店をいくつか見て回りながら、ゆっくりと二人で登る参道。

最初は私一人で登った。そうしたらあなたがいた。
二回目も私は一人で登った。そうしたら後からあなたが来た。
三回目、二人で登れて・・・それが嬉しい。
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