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雨が好き
第15章 病室

【病室】
「僕には結婚を約束した恋人がいました」
蒼人さんはポツリと話し始めた。
また、あの顔だった。
遠くを見るような、ここではないどこかに心があるような。
「でも、病気になってしまいました。治らない・・・病気でした。」
蒼人さんの彼女だった人の病気は数ヶ月であっと言う間に悪くなったそうだ。2度目の入院の時には、すでに余命を宣告されていたということだった。
「病室では彼女はいつも僕に謝っていました。どうやら、自分のせいで、僕が不幸になったと思っていたみたいです。しきりに『蒼人の時間を奪ってしまった』と泣いていました」
その当時、蒼人さんは毎日のように彼女のお見舞いに行っていた。
花を買っていくことが多かったという。
彼女は蒼人さんと同じように、自然が大好きだった。
「冬が近づいたある日でした。その頃の彼女は昏睡しては意識を取り戻すということを続けていたのです。いつ、昏睡状態から目が覚めないかわかりませんでした。そして、昏睡が続けば、旅立つ日も遠くない、という見通しだったんです」
「僕には結婚を約束した恋人がいました」
蒼人さんはポツリと話し始めた。
また、あの顔だった。
遠くを見るような、ここではないどこかに心があるような。
「でも、病気になってしまいました。治らない・・・病気でした。」
蒼人さんの彼女だった人の病気は数ヶ月であっと言う間に悪くなったそうだ。2度目の入院の時には、すでに余命を宣告されていたということだった。
「病室では彼女はいつも僕に謝っていました。どうやら、自分のせいで、僕が不幸になったと思っていたみたいです。しきりに『蒼人の時間を奪ってしまった』と泣いていました」
その当時、蒼人さんは毎日のように彼女のお見舞いに行っていた。
花を買っていくことが多かったという。
彼女は蒼人さんと同じように、自然が大好きだった。
「冬が近づいたある日でした。その頃の彼女は昏睡しては意識を取り戻すということを続けていたのです。いつ、昏睡状態から目が覚めないかわかりませんでした。そして、昏睡が続けば、旅立つ日も遠くない、という見通しだったんです」

