この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
雨が好き
第116章 抱擁
【抱擁】
次の日、約束通り蒼人さんは『みなと町』に来てくれた。
心做しか額が汗ばんでいるような感じがする。
たしかに今日は初夏の夕方にしてはあったかかったのだけど、
もしかしたら、急いできてくれたのだろうかと思うと、
なんだかとても嬉しい気持ちになった。
いつものカウンター席に座る。
「アイスのカフェラテを」
やっぱり注文はアイスだった。
この時間、すでにお客さんはおらず、『みなと町』は蒼人さんの貸切。
一応ちらりとお父さんの顔を見たけれども、
『いいよ』って言っているみたいだったので、
私も蒼人さんのお隣りに座ることにした。
「お仕事が・・・忙しい?」
言ってしまってから、「あっ」って思ったけれども、
口から出てしまった言葉を取り戻すことはできない。
これじゃあ、まるで、なんで来てくれなかったの?
って責めてるみたいになっちゃう・・・
ちょっと、上目遣いになって、そっと顔色をうかがうみたいに見つめてしまう。
怒って・・・ない?
「本当は、夜9時でも10時でも、『みなと町』に行きたかったんだけど・・・
さすがに遅すぎるかなって・・・」
次の日、約束通り蒼人さんは『みなと町』に来てくれた。
心做しか額が汗ばんでいるような感じがする。
たしかに今日は初夏の夕方にしてはあったかかったのだけど、
もしかしたら、急いできてくれたのだろうかと思うと、
なんだかとても嬉しい気持ちになった。
いつものカウンター席に座る。
「アイスのカフェラテを」
やっぱり注文はアイスだった。
この時間、すでにお客さんはおらず、『みなと町』は蒼人さんの貸切。
一応ちらりとお父さんの顔を見たけれども、
『いいよ』って言っているみたいだったので、
私も蒼人さんのお隣りに座ることにした。
「お仕事が・・・忙しい?」
言ってしまってから、「あっ」って思ったけれども、
口から出てしまった言葉を取り戻すことはできない。
これじゃあ、まるで、なんで来てくれなかったの?
って責めてるみたいになっちゃう・・・
ちょっと、上目遣いになって、そっと顔色をうかがうみたいに見つめてしまう。
怒って・・・ない?
「本当は、夜9時でも10時でも、『みなと町』に行きたかったんだけど・・・
さすがに遅すぎるかなって・・・」

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


