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雨が好き
第16章 寝室
でも、一生分の勇気を使った私の告白に対する彼の返事は『ごめんなさい。少しだけ、時間をください』だった。

どういう意味だろう。

やっぱり私じゃ、ダメ・・・なのかな?
見たことがない、病室の彼女。彼の話を聞きながらイメージした彼女には顔がなかった。

蒼人さんは、彼女とどんな風に笑い合っていたの?
どんな話をしたの?
どんな・・・夢を描いていたの?

胸が・・・苦しい。
どうしたんだろう。病気みたいに苦しい。

息を深く吸うことが出来ない。目をつむっても眠れもしない。
蒼人さんが何を考えているのかなんて、考えてもわかるわけがないのに、考えるのを止めることができない。

苦しくて、苦しくて、心がいっぱいになって、溢れてしまいそうだ。

ぎゅっとタオルケットを握りしめる。
窓の外には月明かりの気配。

きっと、明日も、快晴だろう。
私は一体、どんな気持ちで、どこにいればいいのだろうか?

窓辺の鬼灯の白い花に、青い月明かりが落ちていた。
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