この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
雨が好き
第17章 海岸線

次の日、お父さんはレンタカーを借りてきた。
真っ赤で小さな車だった。
久しぶりに運転するから大丈夫かな・・・とひとりごちしながらだったけど、車はスムーズに走り出した。
私は助手席。
車はぐんぐんスピードを出して、どこかに向かっていく。
そういえば、どこに行くか、聞いていなかった。
トンネルをいくつか抜けると、急に空が広くなる。
夏の・・・空。
真っ白い入道雲が、湧き立つように空を飾る。
白と青、太陽の光がくっきりとコントラストを作り出す。
木々の枝が落とす陰、車窓に落ちる幾つも重なる色濃い緑。
右手には、海岸線が見える。
そこは、真っ青できれいな海だった。
お父さんが見晴らしの良いところで車を止めた。そこは、休憩所のような所で、屋根とベンチがあった。
穴場なのかもしれない。人は私達の他にはいなかった。
ちょうどお昼の時間だったので、お父さんと一緒に『みなと町』のサンドイッチを広げて食べる。
ここまで、ずっと黙ってきてしまったけど・・・。何かを言わなくちゃいけない気がする。
「あの・・・お父・・さ」
言いかけた時、お父さんが「みなと」と声をかけてきた。
お父さんも私に話すタイミングを見計らっていたのだと分かった。
真っ赤で小さな車だった。
久しぶりに運転するから大丈夫かな・・・とひとりごちしながらだったけど、車はスムーズに走り出した。
私は助手席。
車はぐんぐんスピードを出して、どこかに向かっていく。
そういえば、どこに行くか、聞いていなかった。
トンネルをいくつか抜けると、急に空が広くなる。
夏の・・・空。
真っ白い入道雲が、湧き立つように空を飾る。
白と青、太陽の光がくっきりとコントラストを作り出す。
木々の枝が落とす陰、車窓に落ちる幾つも重なる色濃い緑。
右手には、海岸線が見える。
そこは、真っ青できれいな海だった。
お父さんが見晴らしの良いところで車を止めた。そこは、休憩所のような所で、屋根とベンチがあった。
穴場なのかもしれない。人は私達の他にはいなかった。
ちょうどお昼の時間だったので、お父さんと一緒に『みなと町』のサンドイッチを広げて食べる。
ここまで、ずっと黙ってきてしまったけど・・・。何かを言わなくちゃいけない気がする。
「あの・・・お父・・さ」
言いかけた時、お父さんが「みなと」と声をかけてきた。
お父さんも私に話すタイミングを見計らっていたのだと分かった。

