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雨が好き
第18章 稜線
【稜線】

お父さんと海に出かけてから、2日後、蒼人さんがふらりと『みなと町』に来た。
雨が降っているわけではないのに・・・。
そう思ったし、どういう顔をすればいいのか、わからなかったけど、

「いらっしゃいませ」

たぶん、普通に出来たんじゃないかと思う。

蒼人さんはカウンターに座って、アイスカフェラテを注文した。
私がコトリ、と、カフェラテとガムシロップを置くと、「あの」と声をかけてきた。

ビクリ、とする。

昼下がりだったこともあり、今、お客さんは蒼人さんだけ。
私は銀のお盆を抱えたまま、カチコチになってしまう。

「みなと・・・さん」

また、名前・・・呼ばれちゃった。
息を呑む。

「今日・・・お時間、もらえないですか?」
彼が私の方をまっすぐに向いて、言った。

その顔は、何か心に決めたことがある、といった風だった。

お父さんに、話して、お休みをもらう。
なんだか、お父さんがちょっと慌てているように見えた。なんでだろう?
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