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雨が好き
第18章 稜線

お休みがもらえたので、私は蒼人さんと一緒に『みなと町』を出る。
外は、眩しいほどのいい天気。
私と蒼人さんは、並んで歩いていたけど、お話はしなかった。
彼が、何か言いたそうにしているような気もするし、
私から、何かを話してはいけない気もする。
私は日傘をさして、黙ってついていった。
彼が私を連れて行ったのは、山が見える、高台だった。
木陰にあるベンチに並んで座る。
蒼人さんの目が、緑なす山の稜線に注がれる。
私もつられて、そちらを見た。
「あの山が、僕の仕事場なんです」
そうなんだ・・・。あの山が・・・。
一番暑い時間が過ぎたせいか、
心なしか木陰に涼しい風が抜けていった気がする。
風が、もう一つ過ぎ去る。
「みなとさん・・・。僕と、付き合ってください」
唐突に。
外は、眩しいほどのいい天気。
私と蒼人さんは、並んで歩いていたけど、お話はしなかった。
彼が、何か言いたそうにしているような気もするし、
私から、何かを話してはいけない気もする。
私は日傘をさして、黙ってついていった。
彼が私を連れて行ったのは、山が見える、高台だった。
木陰にあるベンチに並んで座る。
蒼人さんの目が、緑なす山の稜線に注がれる。
私もつられて、そちらを見た。
「あの山が、僕の仕事場なんです」
そうなんだ・・・。あの山が・・・。
一番暑い時間が過ぎたせいか、
心なしか木陰に涼しい風が抜けていった気がする。
風が、もう一つ過ぎ去る。
「みなとさん・・・。僕と、付き合ってください」
唐突に。

