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雨が好き
第20章 花火大会

周囲を見る。
恋人同士、親子連れ、夫婦?
みんな、手を繋いでいた。
何度目か引き離されて、私は小走りに蒼人さんに駆け寄る。
そのまま、自分の手を見て、彼の手を見る。
この間、触れた彼の手の感触を思い出した。
「蒼人さん・・・手を・・・繋いでいいですか?」
彼は少しだけ驚いた顔をしたけど、すぐに手を差し伸べてくれた。私がその手を取ると、意外なほど強い力でぎゅっと握り返してきた。
私と彼は、花火大会の会場まで、ずっとずっと、つながっていた。
河川敷に場所を見つけて、彼が持ってきた敷物を敷く。
虫よけはしてきたから、大丈夫なはず。
開会のアナウンスが流れて、花火大会のスタートだ。
どん、と大きくひとつ、音がして、目に見えない大玉が中空に上がる。
それは空の一点で炸裂して、赤とオレンジの火花を散らして夜空に大輪を描く。
川面と彼の目に、温かな光が映った。
花火が次々と上がっていく。
数回に一回、大きな花火が上がったり、小さな花火が連続して上がったりする。
そのたびに会場全体がどよめき、拍手が上がった。
恋人同士、親子連れ、夫婦?
みんな、手を繋いでいた。
何度目か引き離されて、私は小走りに蒼人さんに駆け寄る。
そのまま、自分の手を見て、彼の手を見る。
この間、触れた彼の手の感触を思い出した。
「蒼人さん・・・手を・・・繋いでいいですか?」
彼は少しだけ驚いた顔をしたけど、すぐに手を差し伸べてくれた。私がその手を取ると、意外なほど強い力でぎゅっと握り返してきた。
私と彼は、花火大会の会場まで、ずっとずっと、つながっていた。
河川敷に場所を見つけて、彼が持ってきた敷物を敷く。
虫よけはしてきたから、大丈夫なはず。
開会のアナウンスが流れて、花火大会のスタートだ。
どん、と大きくひとつ、音がして、目に見えない大玉が中空に上がる。
それは空の一点で炸裂して、赤とオレンジの火花を散らして夜空に大輪を描く。
川面と彼の目に、温かな光が映った。
花火が次々と上がっていく。
数回に一回、大きな花火が上がったり、小さな花火が連続して上がったりする。
そのたびに会場全体がどよめき、拍手が上がった。

