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雨が好き
第25章 夏の日

そんなある日。
その日はお天気だったけど、蒼人さんのお仕事がお休みで、昼前に『みなと町』に来てくれた。注文はいつもの通り、アイス・カフェラテ。
あと、この日は初めてお父さんのナポリタンを注文してくれた。
おいしい。
そう言われて、なんだか自分のことのように嬉しかった。
午後、ゆっくりと時間が過ぎる。
蒼人さんは、文庫本を取り出して本を読んでいる。私はしばらくお客様の対応。
レジ台の下に置いてあった鬼灯が、赤い実をつけている。
夏の名残のような蝉の声が、外から漏れ入ってくる。
お客さんが一段落した時、蒼人さんにはサービスで、アイス・カフェラテをもう一杯。
ことり、と机においた時、ニコっと笑ってくれて、それが嬉しかった。
銀のお盆を抱えて、外を見る。
日差しが、次第に柔らかさを増している気がする。
秋が、忍び足で来ているのかもしれない。そう思ったら、また、あの「どうしよう」が心の中で始まった。
「夏が・・・終わっちゃう・・・」
つい、言葉が出た。
その日はお天気だったけど、蒼人さんのお仕事がお休みで、昼前に『みなと町』に来てくれた。注文はいつもの通り、アイス・カフェラテ。
あと、この日は初めてお父さんのナポリタンを注文してくれた。
おいしい。
そう言われて、なんだか自分のことのように嬉しかった。
午後、ゆっくりと時間が過ぎる。
蒼人さんは、文庫本を取り出して本を読んでいる。私はしばらくお客様の対応。
レジ台の下に置いてあった鬼灯が、赤い実をつけている。
夏の名残のような蝉の声が、外から漏れ入ってくる。
お客さんが一段落した時、蒼人さんにはサービスで、アイス・カフェラテをもう一杯。
ことり、と机においた時、ニコっと笑ってくれて、それが嬉しかった。
銀のお盆を抱えて、外を見る。
日差しが、次第に柔らかさを増している気がする。
秋が、忍び足で来ているのかもしれない。そう思ったら、また、あの「どうしよう」が心の中で始まった。
「夏が・・・終わっちゃう・・・」
つい、言葉が出た。

