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聖女様は天敵の魔王様にパコパコされる
第2章 捉えられる聖女
いつまで経っても眠れそうに無い気配に、シェリルは小さくため息を吐いて、気分転換に夜の散歩でもしようかと、薄着のネグリジェの上からカーディガンを羽織、部屋から出た。
外の庭へと繋がる古い木造のドアを開けば、シェリルの視界いっぱいに広がる深い闇と、負けないくらいに瞬く星々の光。
「···月と星が綺麗だわぁ」
少しひんやりする空気が心地よい。
胸いっぱいに新鮮な空気を満たしていると、不意にガサッと音が届いた。
「···?」
音のした方を見れば、深い森へと続く道で。
どうした事か、それがどうにも気になってじっとその方向を見つめてしまう。
もしかして、動物が怪我をしたのではないかと不安が胸を過ぎった。