この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
聖女様は天敵の魔王様にパコパコされる
第2章 捉えられる聖女
ガサガサと膝丈までの低い草や低木を掻き分けて、音のする方へ行けば人が倒れていた。
「!···大丈夫ですか!?」
シェリルは見つけた瞬間に走り出し、地面に膝を着いて倒れている男の肩に手を添えて声をかけた。
「···ぅっ、」
(なぜ、貴族の方がこんな所に···?)
夜の帳のような黒い髪は少し長く、襟足についていて、薄く開かれた目はルビーのように赤い色。
身にまとっている礼服は上等なもので、黒く上品な仕上がりだ。
赤い色の目が、ぼんやりとした視界からくっきりとシェリルの輪郭を捉えた瞬間、男はシェリルの手首を掴んだ。
「···やっと、捕まえました」
「えっ?···きゃっ!」
瞬間、シェリルは押し倒され青い目を丸くした。