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東京帝大生御下宿「西片向陽館」秘話~女中たちの献身ご奉仕
第2章 女中 良枝

 廊下で、 「お茶をお持ちしました。」 と、女中の良枝の声がした。誠一が、初めての体験に戸惑いがちに 「どうぞ・・・。」 と、短く返事すると、廊下で正座していた良枝は、障子戸を開け、両手を前に突いて腰を浮かせ、綿紬の膝をすべらせて「次の間」に入った。奥の「座敷」との仕切りの襖は開いたままだったので、文机に本を積み上げながら良枝の仕草を見ていた誠一が、 「こちらの部屋に。」 と声を掛けると、良枝はお盆を持ち上げ、ぎこちない内股のすり足で座敷に入り、再び正座してから、頬を赤くして、俯(うつむ)き加減で襖を閉めた。

 誠一は、彼女の恥ずかしそうな表情を見て、部屋が良枝と二人だけの密室になったことに気付き、身を固くした。ぎこちなく微笑みながら、 「さっきは四人も集まっての夕餉で、忙しくしてもらったね。有難う。」 と礼を言うと、良枝は、ますます頬を赤くして、 「いいえ、何でもございません。ご主人様こそ、お部屋の片付けに続いてのことで、お疲れではございませんか。」 と言いながら、厚手の白釉志野(はくゆう・しの)の湯呑にたっぷりとお茶を注いで、誠一の前に差し出した。部屋に、ほうじ茶の香りが立った。
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