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第2章 女中　良枝

　薄い襦袢を通して、良枝の小ぶりの乳房が誠一の胸に当たり、脇に回した腕には、あばら骨の硬い感触が伝わった。痩せ気味の体を抱いて、良枝が身の上話で、＜家が困窮して＞と言っていたのを思い出した誠一は、まだ少女の体つきの彼女に、このまま寝間の奉仕を続けさせて良いのかと躊躇する一方で、健気（けなげ）に尽くそうとする彼女の姿に愛おしさと、言いようのない欲望を感じ、強い勃起まで覚えて、戸惑っていた。

　その時、誠一の迷いの表情を見て、それを断ち切るかのように、それまで無言だった良枝が、　「ご主人様、抱いていただいて嬉しゅうございます。」　と耳元でささやいて、目を閉じたまま薄く開いた口を誠一に向けた。誠一は、良枝の誘いの所作に驚きながらも、唇を吸い、片手をぎこちなく襦袢の胸元に滑り込ませて、乳房に当てた。

　良枝が、体を預けるように誠一の胸を押すと、二人は夜具の上に倒れ込んだ。誠一は、良枝の襦袢を剥いでから、改めて覆いかぶさり、皿を伏せた形に薄く膨らんだ乳房を撫でながら、桃色の乳首を吸った。良枝は、小さな喘（あえ）ぎ声をあげながら、小刻みに全身を震わせた。