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東京帝大生御下宿「西片向陽館」秘話~女中たちの献身ご奉仕
第2章 女中 良枝
良枝は、毛先が頬にかかるほど内巻きにカールしたショートボブの髪に手を当て、はにかんだ表情で、 「先月、初めてお当番のお勤めさせていただいた後に、幸乃さんが、<ご褒美にパーマネント屋に連れて行ってあげる。もう桃割れではおかしいわね。>と仰って、こんな風に仕立てて下さったんです。」 と話すと、笠井は、 「それは良かったのう。晴れて大人の仲間入りじゃ。」 と相好を崩した。良枝が、その言葉の意味に気付いて頬を赤くしたのを見て、笠井は、三ケ月ほど前の、部屋の情景を想い起した・・・。
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