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東京帝大生御下宿「西片向陽館」秘話~女中たちの献身ご奉仕
第2章 女中 良枝

 「分かり易うて、それでええんじゃけどの。そんでもな、良枝は、水辺の草の<菱>を知っとろうが。形が似とるで、これを江戸言葉では花菱と言うての。ここを舐めるんは<花菱攻め>じゃ。風流な言い方じゃのう。そしたら、ここを舐めたり咥(くわ)えたりするんは、お姉さんたちに訊いたかの。」 笠井は、そういって、良枝の手を取ると、男根を握らせた。

 「<尺八>とか<笛を吹く>とか言ってました。ご主人様、私、そんな言葉を口にするのは恥ずかしゅうございます。」 良枝の顔が、真っ赤に火照ってきた。

 「これも習い事じゃと思うての。そしたら、この前、良枝が反対向きにわしの上に乗って、舐め合(お)うたんは・・・。」

 「知りません。ご主人様とあんなことをしたとは、恥ずかしくて、お姉さんたちにも言えてません。もうお許し下さい。」 良枝の声がますます小さくなった。
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