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脳内妄想短編集
第1章 ヒモ
どきりとしました。それこそ二重の意味で。一つはバレていたこと。もう一つは、飲むタイプよりも塗るタイプの方が、効果は断然高いということを知っていたからです。
「どこに、塗ったの?」
私は息せき切って尋ねました。頭はパニックを起こしそうでした。
「塗ってはないですよ。シャンプーとボディソープの容器の中に、少し垂らしておいただけです」
彼は変わらず、しれっと答えました。
私は思わず、自分の体を抱きしめました。それは予想外でした。てっきりお茶に混ぜたのかと思っていた私は、時間が経てば勝手におさまってくれるものと思っていました。ですが、違いました。
私は自分のボディソープまみれの体を、絶望的な気分で見まわしました。彼に体を洗われている今の状況こそが、何よりもまずいと気が付いたからです。綺麗に体を洗ってくれるふりをして、私の体に媚薬を塗りたぐっていたのですから。
私は彼の手を振りほどこうとしましたが、びくともしませんでした。それほど強くおさえつけられていたわけではないのに、です。自分の体に、力が入らなくなっているのだと、ようやく理解できました。