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脳内妄想短編集
第1章 ヒモ

 彼の口調は相変わらず穏やかで、職場にいる時と同じ、からかいを含んでさえいました。私は怖くなりました。体の疼きは、いつおさまるのでしょう。どれだけの量をお茶の中に入れたのでしょう。
 彼が再び、タオルを私の体にあてがいました。胸の下や腹など、丁寧に洗っていきます。

「や……だ」
「遠慮せずに」

 彼は私の両腕を掴み、ひとまとめにして壁へと押し付けました。体を後ろに引っ張られるような形になり、必然的に私の背は冷たいタイルへと押し付けられます。ひんやりとした刺激にすら、体はぴくぴくと震えました。しかしそこにも、ほとんど強引さはありませんでした。

「は……あっ」

 胸を突き出すような格好に、羞恥心が疼きます。彼の手は、下へと進んでいきました。下腹を洗い終わり、ぎゅっと閉じた足を、丁寧に洗っていきました。

「一つ勘違いしてるみたいですけど」

 ふいに彼が言いました。

「薬は、飲むタイプのものじゃないです。そんなんも使ってたんすね。俺が見たのは塗るタイプのやつ。俺の制服に、友梨香さん塗ってたでしょう?」
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