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脳内妄想短編集
第2章 水中レッスン
唇を離し、今度は耳元に唇を寄せ、囁く。
「水って、気持ちいいでしょ? 体中愛撫されてるみたいで」
突拍子もないことを言っているなぁとは、自分でも思う。だけど実際、水泳の授業の時は、そう感じていた。
水に体を浸すたび、柔らかな刺激が全身を包みこむ。泡沫や、人が通ったあとの水の流れが心地よくて、泳ぐよりもただ浮かんでいる方が好きだった。
水は本来、恐怖を覚えるものじゃない。
「……そんなこと、考えたことない」
「じゃあ今考えてみて」
彼は目をみはった。あたしは再び彼の体を撫でる。ツルツルとした肌の上、手のひらをゆっくりと滑らせていくと、へそや背中、太ももで、彼の体は小さく反応を見せた。
彼は目を閉じていた。指先が乳首を掠めると、彼の眉間にわずかにシワが寄る。どんな些細な反応も見逃すまいと、気付けばあたしは目を凝らして彼の顔を観察していた。
我慢できず、口づける。薄く開いた唇に、あたしは舌を差し入れた。今まで唇を触れあわせ、軽く舐める程度のキスしかしていないせいか、自分の口内に侵入してきた舌に驚き彼が目を開く。