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捥いだピンクの果実
第4章 四話 大人びた女子校生 1
 その次の日。秋葉乃は夕方過ぎに結婚前に住んでた部屋にいた。偽装結婚する前に住んでた部屋。見合い相手の院長に用意させたが秋葉乃クリニックに近いので仕事部屋として使用してるが二世帯住宅の部屋には住んでいない。
 エレベーターもない雑居ビル。一階はコンビニ。二階はいくつかの会社に音楽教室がある商業用のスペース。三、四階は住居用になっている。一階のコンビニでスポーツドリンクと菓子パンを買って階段を上がる。二階の階段の踊り場で視界にはいった。音楽教室の前で扉にもたれてうな垂れている少女が。無視しようとしたが体育すわりでひざに頭を埋めている。近づいて声をかけた。
 「どうしました。だいじょうぶですか」返事はない。しゃがんで肩を軽く揺さぶる。水色のブラウスに黄土色のスカートには赤や青に白のラインがはいっている。紺の靴下に黒のローファー。紺のカバン。学校帰りなのだろう。水色のブラウスは汗で湿っていた。「だいじょうぶ」また声をかける。少女は顔を上げた。虚ろな眼。黒眼が揺れている。
 「名前は」秋葉乃は熱中症を疑った。
 「オバタナオです」あってるのかどうかわからないがすぐに答えたのであっているのだろう。
 「今日は何月何日かわかる」
 「今日は六月のなんにちだろう。土曜日です」意識ははっきりしている。救急車は呼ばなくていい。
 「身体触るよ。自分は医者だから」秋葉乃はお姫様抱っこをして階段を上がる。
 「あれっ、昨日の人じゃないですか」
 「昨日の」秋葉乃はそこではじめて女子校生の顔を見た。背が高い。大人びた少女。「あっ、昨日の見鶴駅の」昨日メガネリュックに絡まれていたのを助けた娘だと気づいた。
 「なんで、なんで、こんな偶然あるんですか。ヤバいヤバい。なんで」秋葉乃世代だとヤバイはピンチやトラブルのことだが最近のヤバいはチャンスに使う言葉になっている。
 「この上に住んでる。そこで休もう。いい」
 「ヤバいヤバいヤバい」オバタナオといった少女はヤバいを連呼する。イやだとは思っていない。なにがヤバいのと訊くと。「お姫様抱っこされてる」という。
 四階の406号室。玄関の奥の扉はトイレ。その手前の左にある扉は六畳の寝室。隣りに八畳のリビング。トイレを左に寝室とリビングを囲むように廊下がありキッチンと浴室がある。秋葉乃は寝室のベッドにオバタナオを寝かせた。
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