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やっと、逢えた
第3章 せめて、声だけでも
ベッドに横になってもそうそう眠れる訳ではない。


結局、いつも考えていることを堂々巡りするように思い巡らせ、
考えても仕方がないことだという結論に達した。


生まれ持った、
うちの一族の持つ性質というかある種の能力。


昔は深くは考えなかった。


便利なものだと呑気に構えていた頃もあった。

そして、色々知るにつれて、
自分を呪うようなこともあった。


だから、医者になって、
血液について専門的に考察するようにもなった。


その内容は決して公表出来るようなものではないけど。




そして、うちの一族と唯一交わることが出来る一族に思いを馳せた。

もう、衰退してしまって、
離散し、見つけにくくなってしまった一族。


意味のある婚姻以外の結びつきが増えて、
純血種を探すことも困難になってしまった。


だからこそ。



俺の直感は、
彼女が唯一無二の相手だと言っている。

それを確かめたい気持ちと、
確かめた後に違っていたらという怖れで、
前に踏み出す勇気を俺はその時、
持てるのだろうか。



そのことをずっと考えているうちに、
夕方近くになっていた。
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