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やっと、逢えた
第4章 触れるだけで

小一時間ほどして、
彼女がピクリと動いた。
思わず俺は葵を観て、
「どうしよう?」と呟いてしまう。
「さあ?
そう言われても…」と、少し困った顔をした葵は、
「じゃあ、アタシ、部屋に戻りますね?」と言ってマグカップを手に立ち上がる。
そっと目を開けた彼女がぼんやり俺と葵を観て、
「あ…。
申し訳ありません…」と小さい声で言って、
起き上がろうとする。
「いや。
こっちこそごめん。
知らなくて…」と言うと、
彼女はよろよろと起き上がって座り直した。
その拍子に、掛けていた俺のジャケットがスルリと落ちそうになったのを慌てて押さえると、
「ありがとうございます。
なんだか、とても良い香りがして良く眠れました」と笑った。
「香り?
何もつけてないけど?」と言うと、
「柔らかくて、優しい香りがしました」と俯いて呟いた。
少しの沈黙を破るように、葵が声を掛けた。
「あの…。
アタシ、これで上がりますけど、
白蓮さま、送って差し上げたらどうです?
途中でまた、倒れるといけないから。
本当は白蓮さまに、施術受けた方が良いかもしれないけど、
今日は辞めた方が良いですかね?
白蓮さまの施術だと、お高いしね?」
「あ…。
葵先生にまだ今日のお代をお支払いしていなかったですね。
白蓮…先生?
先生も施術されるんですか?」
彼女は不思議そうな顔をして、
俺の顔を見つめた。
彼女がピクリと動いた。
思わず俺は葵を観て、
「どうしよう?」と呟いてしまう。
「さあ?
そう言われても…」と、少し困った顔をした葵は、
「じゃあ、アタシ、部屋に戻りますね?」と言ってマグカップを手に立ち上がる。
そっと目を開けた彼女がぼんやり俺と葵を観て、
「あ…。
申し訳ありません…」と小さい声で言って、
起き上がろうとする。
「いや。
こっちこそごめん。
知らなくて…」と言うと、
彼女はよろよろと起き上がって座り直した。
その拍子に、掛けていた俺のジャケットがスルリと落ちそうになったのを慌てて押さえると、
「ありがとうございます。
なんだか、とても良い香りがして良く眠れました」と笑った。
「香り?
何もつけてないけど?」と言うと、
「柔らかくて、優しい香りがしました」と俯いて呟いた。
少しの沈黙を破るように、葵が声を掛けた。
「あの…。
アタシ、これで上がりますけど、
白蓮さま、送って差し上げたらどうです?
途中でまた、倒れるといけないから。
本当は白蓮さまに、施術受けた方が良いかもしれないけど、
今日は辞めた方が良いですかね?
白蓮さまの施術だと、お高いしね?」
「あ…。
葵先生にまだ今日のお代をお支払いしていなかったですね。
白蓮…先生?
先生も施術されるんですか?」
彼女は不思議そうな顔をして、
俺の顔を見つめた。

